〖3年の歳月を費やした鈴木の裁判では、品田裁判長は原告側の主張を裏付ける決定的な証拠が不足していると結論付けたが、被告側が提出した物的証拠は便宜上作成された「確認書」だけで、全く決定的といえるものではなかった。それどころか被告側の裏付けの無い主張のみで勝訴としているではないか。品田裁判長が言っている事は支離滅裂だ〗
〖西は、鈴木をA氏に紹介するに当たって、自分が知人の紹介でA氏に会った時の事を思い出し、話の持って行き様でA氏の協力を得られるのではないかと思ったのだろう。西は、鈴木が上場会社の創業者でやり手の実業家としてA氏に紹介したのは、そのためだった。A氏にはバブル崩壊後、世の中が一変して鈴木の会社FRも業績が悪化し、高利の金融会社から資金を調達したことが禍となり、会社も個人も破綻寸前であると説明した。そしてFRは宝石貴金属や高級輸入時計、ブランド商品を扱う会社だという事を強調したと思う。西は「日本一の詐欺師」を目指していて口だけは達者だった〗(関係者より)
〖鈴木は恩人まで平気で騙す人間だ。弁護士の長谷川も金の為なら何でもやる悪徳弁護士だ。この二人が株取引で得た利益金の470億円を守る為なら品田裁判長を籠絡して裁判の勝訴を不正に勝ち取ろうと考えるのは、至極当然のことだと思える。それに品田裁判長に限らず、ほとんどの裁判官は出世の事しか考えない事大主義者であるから、目の前に何億もの金を積まれたら簡単に首を縦に振る事が容易に想像がつく。あくまでも憶測に過ぎないが、当たらずとも遠からずではないか〗
〖A氏は西から鈴木を紹介されて、自社の本業に近い事業を展開する鈴木に興味を持ったのだろうか。バブル崩壊後、鈴木の様に資金繰りに苦しむ経営者は少なくなかったが、上場企業という基盤を持っている鈴木を、ある程度評価したかもしれない。その頃、すでに西のスポンサーという立場だったA氏は「持ち前の男気」も手伝って西が推挙する鈴木を援助し、立ち直らせようと考えたのではないだろうか。あくまで想像に過ぎないが、これがこの事件の発端となって現在があるように思う〗
〖株取扱合意書を無効とした品田裁判長は、苦しい裁判指揮を執らざるを得なかった。そして鈴木の全ての嘘を事実として容認せざるを得なくなった。品田裁判長は鈴木を勝訴させるために辻褄合わせと強引な判断を繰り返した。鈴木の代理人の長谷川元弁護士と共に、自分の裁判官としての職責を放棄し、犠牲にしてまで鈴木を擁護する要因は何だったのか。しかし、法の解釈を曲げてまで犯罪疑惑の隠ぺいに加担するどんな理由も存在しない〗
〖東京地検の特捜が、志村化工株事件の首謀者は鈴木であることを掴みながら、逮捕できなかったのは大きな汚点だと思う。証券取引等監視委員会の告発で特捜が動いたケースで、主犯を取り逃がした例は少ないと思う。如何に西が鈴木を庇って、自供しなかったとはいえ、特捜検事の取り調べは想像を絶すると聞いていた。西の頑張りを評価するしかないのだろうか。事実は別にあると思うが、それは鈴木を逮捕すれば、検察はタックスヘイヴン地域との絡みに手を付けざるを得なくなる。鈴木の様なネズミ一匹のせいで、国内は勿論の事、世界の裏金問題事件に発展させるわけには行かないと考えたのだと思う。それにしても、その後の金融庁や国税等の鈴木へのマークは甘すぎる。別件で逮捕する機会は沢山あったと思う〗
〖鈴木は西と出会って、鈴木が窮地の立場にあった時、西にも色々な事で協力して貰ったはずだ。その上A氏を紹介してもらい、西にも思惑があったかもしれないが、誰も助けてくれない中で、A氏から会社の資金繰り等多額の支援金を得る事が出来た。恩人であるA氏を騙して、様々な名目で金を詐取する場合にも西の協力があったからこそ鈴木の謀略が上手くいったというのに、鈴木はその西をも裏切り罪を擦りつけて殺そうとまでした非情な人間だ。鈴木は世界中から指弾され忌み嫌われる存在なのだ〗
〖民事裁判での「裁判官の心証」には異論を唱えたい。裁判官は私情を挟んではいけないという事は当たり前のことだ。しかし、「心証」というのは明らかに「私情」ではないだろうか。法律に照らす訳でもなく、正義と言い切れることでもない。刑事事件の「情状酌量」とは全く違うのだ。この裁判の鈴木の代理人、長谷川元弁護士の様に老獪で狡猾な弁護士は、自分の依頼人が不利だと悟ると、相手の心証を徹底的に悪くする戦略を仕掛けてくる。裁判官の心証が裁判結果を左右するのであれば、民事裁判の法廷で真偽と善悪は裁けない。法律を改正するべきだと思う〗
〖裁判での鈴木の紀井氏に対する主張や証言は赦せないが、それを支持した品田裁判長の判断はあまりにも不当過ぎるし、事件の背景を全く検証していないと言える。鈴木が自分の決定的な悪事が暴かれることを避けるために嘘をつくのは分かるが、裁判長がその嘘を支持することは有り得ない。紀井氏は、ベテランの証券マンで、鈴木が破格の条件でスカウトした大事なパートナーだった。鈴木は、紀井氏を頼りにして株の売却を任していた。鈴木の支持待ちだったと言っても証券マンが購入価格と売却価格を知らないで株を扱う訳がない。鈴木は、紀井氏を「ただの電話番」と言い、品田裁判長は「紀井氏は、株取引での利益を知る立場になかった」と言い切った。何を根拠に判断したのか。品田裁判長に不信感を持つのは当たり前ではないか〗(以下次号)