〖田中延和氏の証言は衝撃で、吉郎は大学を卒業して間もなく医療雑誌の企画で1か月ほどアメリカを視察したというが、たったそれだけのことで、種子田が買収した4か所の病院を統括する東京本部の常務に就いたというのだから呆れかえる。そんな程度でその後に理事長に就くのだから、まさに棚ボタだ。種子田の指示で専務取締役本部長に就いた田中氏の苦労がよく分かる。そんな状況では種子田が資金を調達しなければ病院が立ち行かなくなるのは必至で、それを種子田は返済もせずに約束していた病院の担保提供を先送りしてT氏を困惑させ、揚げ句に「病院は関係ない」と開き直った。種子田は「牛久愛和病院は500億円以上の価値があるので、いつでも担保提供する」という約束をして「500億円までは借り入れをお願いします」と言うので、T氏の知人が何人も立ち合った際に「息子は(病院は)父からの預かり物で、いつでも必要に応じてお返ししますと言っています」という説明をしていた。そうした約束を種子田は反故にしたが、しかし、田中氏や他の側近の証言が、T氏が種子田に融資をした金が病院経営に使われた事実を裏付けている。吉郎がどれほど「父親とは一切関係ない」と言い続けても通る話ではなく、まして相続放棄などとんでもないことだ〗
〖種子田吉郎は父親の呪縛を解き放って、即刻、一部の病院を売却するなどしてT氏に弁済すべきである。それを何だ、父親が死んだ直後に相続放棄とは、どういう神経をしているのか。T氏は見返りを求めずに父親を助けてあげたではないか。いい加減に覚悟して父親の債務処理をしないと、本当に機会を失うことになる。少なくともT氏やT氏の知人に謝罪しなければ、種子田による病院の買収経緯が明らかになり、病院グループ全体に影響が及ぶのは目に見えている。それを自覚するべきだ〗
〖種子田益夫の強欲は半端ではなかったようだが、職員が備品の食器を壊しただけで怒りまくって「コップも灰皿も、みんな俺のものだ」と職員を叱り飛ばしたという話は戴けない。強欲だから借りた金でも懐に入れたら返すという認識が無くなってしまうのだろうが、いくつもの銀行から不正融資を受けても返済しなかったために逮捕され有罪判決を受けた事への反省が一つもない。吉郎も恐らく父親の血を引いて、というより社会人としてまともな経験を積んでいないから、父親の真似しかできない。そうであるなら、吉郎は父親と同様に犯罪を認識しても病院の理事長をやるべきではない〗
〖石川さゆりは何で種子田とつながったのか。所属していた事務所から独立した際に大騒動が起きてテレビやラジオへの出演ができなくなったという話があったが、種子田はそれに付け込んだのか。それなら、しっかりバックアップしてやればいいものを、不正融資事件に巻き込まれたうえに債権回収機構(RCC)から10億円を超える請求を受けて必死に返済を続けてきたという。何ともたくましい精神の持ち主だが、一方の種子田は請求を受けた50億円以上の債務の返済もしていないらしい。あまりにも無責任な男で、これも息子たちが相続を放棄した理由の一つかもしれないが、そうであれば当然、病院も相続するべきではない。相続放棄で責任回避ができると思ったら大間違いだ。他人を喰いモノにして債務を膨らませてきた種子田の責任を吉郎ほか弟妹たちは決して逃れることはできない。債務を放棄するなら病院も放棄するのは当然のことだ〗
〖種子田益夫がT氏に7億円の融資を依頼した際に「暴力団との縁を切る」という言葉を口にしたが、それは真っ赤なウソだった。種子田が逮捕された直後にボディガードがT氏の会社に運び込んだ内部資料を取り返そうと躍起になって頼んだ先が山口組芳菱会だった。種子田には節操がひとかけらもないという証だ。芳菱会のトップであった瀧澤孝(故人)はT氏の事務所を何回も訪ねて、最後に別荘の権利証を置いていった話は瀧沢なりの誠意だったかもしれないが、T氏が被った被害を埋めるには遠く及ばないにしても、そのような瀧沢との関係を種子田は出汁に使って、融資の理由にするかと思えば自分に都合が悪くなると警察に訴えて恐喝の被害届を出し、逮捕させるという煮え湯を飲ませた。身内を含め誰もが種子田のあくどさには辟易としていたようだが、息子の吉郎も父親に負けないワルで、度を越えた身勝手さが見て取れる〗
〖種子田益夫が病院のオーナーであることは医療現場の病院長や医師の派遣に尽力した大学教授、日本医師会幹部たちが証言している通りだ。種子田が親子揃って「(益夫は)病院に関係ない」と言い張っても、ただの口裏合わせに過ぎないのは明白で、病院の医師をはじめ職員全員が承知しているだけでなく、種子田が病院でオーナーとしてふるまってきた対応の全てを吉郎は日常的に目の当たりにしてきたではないか〗
〖悪人には必ず報いがやって来る。種子田益夫の場合もそうだ。武蔵野信金がらみの背任罪では逆転有罪に、東京商銀信用組合の事件では懲役。さらには臓器移植もドタキャンと、人を騙し続けて過ごしてきた人生にはツケが回ってくることを思い知った最期のように映る〗
〖種子田問題の解決策は単純に一つしかない。病院はT氏とT氏の知人からの借り入れで買収したものなので、借金が返せないのなら代物弁済をすれば良いだけである。吉郎も父親からの預かり物で必要に応じていつでもお返ししますと何人もの債権者の前でも言っている〗
〖牛久愛和病院の実態を知った患者はどういう反応を示すだろうか。いつ何時、数百億円の債務が表面化したら、安心して入院もしていられないに違いない。まして、理事長の種子田吉郎は父親譲りの悪党で、恩を仇で返すような男だから、誰も信用しなくなる。医療費の請求だって水増ししているんじゃないかと疑いを持つだろう〗
〖種子田吉郎が、自分の力で理事長に就任したとは誰も思っていない。T氏が父親に融資をしたから病院を買収でき、グループの安定的な経営も可能だった。それを、吉郎ほか益夫の息子と娘は相続放棄の手続き取った。父親の負の遺産を切り離してしまおうとするような行為は、あまりにも身勝手な犯罪だ。弁護士の関根栄郷がどれだけ知恵を絞ったか分からないが、病院を買収してグループを作ったのは種子田益夫であって、吉郎以下弟妹の資産と言うなら、相続放棄はご法度ではないか。絶対に資産へのすり替えなど許されない話だ。益夫から病院の権益を生前贈与を受けたという解釈は曲げられないはずで、そうであれば、益夫が病院を買収した資金、その後に経営を安定化させるための運転資金をT氏やT氏の知人から借り受けても返済を滞らせ続けた責任は吉郎ほか種子田一族にも及ぶのは当たり前である。病院の権益だけを都合よく切り離して借金は知らないという話は通らない〗(関係者より) (以下次号)