〖販売委託で鈴木が持ち出した商品の金額はA氏の仕入価格で7億円を超え、上代価格では約50億円になる。品田裁判長の無知識から宝石や高級輸入時計、世界でも有名な画家であるボナールが描いた貴重な絵画は鈴木の個人の負債から除外された。品田裁判長にとっては訳の分からない物品だっただろう。裁判の株取引では10億、100億の数字が飛び交い、挙句には1000億以上という金額が話題になる中、品田裁判長も金銭感覚が麻痺して平常心を失ったか〗
〖A氏にとって、西の自殺は非常に衝撃的であっただろう。悪さはするが、どこか憎めないところがあったと思う。鈴木とのことについてもマイナスでしかなかった。西の死によって、死人に口無しとなった西を利用した「質問と回答書」(乙59号証)の捏造された陳述書が裁判官の心証に多大な影響をもたらしたことは間違いないだろう〗
〖鈴木は、側近の天野常務にA氏と会う事を厳禁していた。それは、自分の正体を隠す為だった。天野氏は時々会社のスタッフを連れて赤坂のクラブに呑みに行くことがあった。そんな場所で偶然にA氏に会う事があった。店のスタッフの証言によると、天野氏は連れを率いてA氏の席に挨拶に行き、「いまFR社が存続しているのは社長の支援のお陰です。大変お世話になっております」とお礼を言っていたようだ。天野氏は鈴木と違って義理人情と礼節を持ち合わせていた。A氏はそんな天野氏に一度だけ面談を申し入れた。それは平成10年の決算で手形を一時返還した事実の確認と、鈴木の株売買の実態を聞くためであった。その時にはA氏は鈴木の隠匿している利益金が470億円に達している事を西から聞いていた。天野氏は「鈴木には絶対内緒」を条件にA氏と会った。A氏は天野氏に西がその場に同席することを頼んだために天野氏もそれを許した。天野氏は、A氏から鈴木が株取引で470億円の利益を上げている事を聞いても驚かず、しばらく考えて「それ位はあるでしょう」と答えたらしい。これで鈴木が470億円の利益を独り占めしている事が確定したのであった〗(関係者より)
〖民事裁判でどちらが勝訴しても、裁判所が裁判費用を取りはぐれることは無い。例え裁判官の誤審誤判があっても裁判所が損害を蒙ることは無い。一般社会では考えられないルールだ。そして、裁判所の収支は不透明で公にされることは無い。裁判所にも裏金があると聞く。人事異動の際の費用の調整や必要経費の水増しで捻出しているらしいが、これらの裏金、は何処に使われているのだろうか。裁判所組織の腐敗は金銭的な問題も絡んでいる様な気がする〗
〖政治家や公職にある者達の汚職等の腐敗は表に出てくるものは氷山の一角であり、裏では公然と行われているのが実情であろう。裁判所の腐敗も一部、書籍等で暴露されているが、それ以上はベールに包まれ表に出てこないだけで、我々一般人が想像する以上に病んだ組織と化しているのではないか。権力組織が必ず腐敗することは歴史が証明している〗
〖鈴木は和解協議の3日前にA氏と会って合意書を見せられたことで、和解協議が正念場になる事は覚悟しただろう。それだけに早急に西と会って2人で話し合う事が最重要だと考えたのではないか。西は、香港から帰国後、紀井氏に会って香港での事件を話した様だ。紀井氏は西の話を聞いて、以前から感じていた鈴木の凶暴性に自分自身の身の危険を察した様だ。西は、紀井氏の動揺を利用して鈴木の株売買の状況を聞き出した〗
〖紀井氏と同じように高額な報酬を条件に鈴木がスカウトした茂庭という人間がいる。彼も紀井氏同様、鈴木の株売買に関する利益の独り占めの実態をよく知る立場にあったように思う。鈴木は用心深くて紀井氏と茂庭には、お互いの情報交換をさせず、業務も別の場所でさせていてA氏との合意書の事も内密にしていた。茂庭は自主廃業した山一証券で海外の支店を切り盛りしていた責任者だった様だ。海外で設立するペーパーカンパニーやタックスヘイヴン地域の事情には詳しかったようだ。何処で鈴木と知り合ったかは不明だが、鈴木の陰謀には欠かせない役割を担っていたのだろう。今後、再審が受理されれば、一層重要な人物になると思う〗
〖今も昔も、詐欺事件は後を立たない。現代は通信技術の発達に伴い多種多様の詐欺が日常的に横行している。またそれと同時に、人情や仁義を重んじる心が廃れ、あらゆる分野で利益優先主義に走り、鈴木のような稀代の詐欺師の出現に繋がったとも考えられる。恩人まで罠に嵌め裏切った鈴木は決して許されない〗
〖品田裁判長の判断の誤りは故意的なものとしか思えない。裁判所の意向も影響しているとは思うが、民事裁判でこれほど一方的な判決は過去にあっただろうか。裁判官は誤審誤判を冒しても一切罰則はない。再審申立が受理され判決が覆されれば、裁判官は出世競争に影響があるとしても退官に追い込まれることは無く、身分は保証される様だ。こんな不条理な事があって良いはずがない〗(以下次号)