〖A氏からの資金導入によって宝林株は上昇し始めた。大物相場師の西田晴夫が相場に参入した事も原因となって一般投資家の注目を浴びる事になり、宝林株は急上昇した。鈴木は相場を眺めながらA氏からの資金を使ってペーパーカンパニー名義で買い上がり、約20日という短期間で高値売却することに成功した。この時の利益は約50億円に上ったが、A氏には実際の金額を報告せず、平成11年7月30日に西に15億円を持参させ報告に行かせている。宝林株は鈴木にとってテストケースだったが、思惑以上の利益が獲得できたことで親和銀行に支払う和解金の目途が立ち、以前からトラブルになっていて民事だけでなく詐欺罪で刑事告訴される可能性が高かった山内興産への和解金の調達も出来たのであった〗(取材関係者より)
〖A氏は、合意書締結の約20日後に15億円の利益が出た事に安堵したと思う。この15億円には鈴木と西の利益分も含まれていたが、2人は自分たちの取り分を全額債務の返済に充当するということにして、この時A氏は鈴木と西の復活と債権の回収を確信したのではないだろうか。しかし、これは鈴木が仕掛けた陰謀だった〗
〖鈴木は和解協議の場では裏切りを認めて「和解書」を作成して利益金の支払いを約束したが、舌の根も乾かぬうちに、手紙で「和解書」の撤回を主張し金の支払いを拒否した。和解協議の場では自分から50億円と2年以内に20億円を支払うと言っておきながら、西と紀井氏に嵌められたという理由を付けて支払いを撤回するとは、あまりにも情けなく見苦しい言い訳ではないか。鈴木は前代未聞の悪党であるが、全く男らしさに欠ける、ただの卑怯者だ〗
〖鈴木は驚く事に、株取扱の利益配当金からA氏を除外しようとした。西に10億円の報酬を払って合意書を破棄することを謀り、利益金を2人で折半しようと唆した。西は事もあろうに10億円の報酬額に目が眩み、鈴木の計略に嵌ってしまった。こうして2人のA氏への裏切りが本格化して行った。A氏は鈴木と西の裏切りに気付かず、買支え資金を援助し続け、利益配当を心待ちにしていたのではないだろうか。鈴木は、自分の欲望を満たす為には人としての道を平気で外す大悪党だったのだ〗
〖鈴木は、100億円以上の不正融資という親和銀行事件の罪状からして、懲役3年、執行猶予4年という考えられないほど軽い判決が下されているが、これは親和銀行側の顧問弁護士と鈴木の弁護士の談合により、約17億円という莫大な和解金が支払われたからだと思われる。この頃の鈴木の資金状況からして、この約17億円はA氏と交わした合意書による株売買の利益金を横領して支払った事は明らかだった。また、山内興産に支払われた和解金約4億円も金の出所は同じだっただろう。この両方の金の出所は、後に行われるA氏と鈴木の裁判を決定付ける証拠になる筈だったが、品田裁判長は一切を無視して判決には反映させなかった〗
〖鈴木の裁判で大きな争点であった株取引について、品田裁判長は株取引を証明する「合意書」の有効性を「法律上の具体的な義務を負わせる上で、最低限必要な程度の特定すらされていないものと言わざるを得ない」として認めなかったが、株取引の経験がある者であれば当然分かるはずだが、日々、時間と共に激動する相場の中で、取引する銘柄を事前に特定することなど出来ない。取引した銘柄を対象とした記述になるのが当然だろう〗
〖鈴木は、平成11年7月30日の、1回目の株取引の報告以降、極端にA氏との接触を避け、宝林株で隠匿した利益金を運用して複数の銘柄を売買し、宝林株と同じ手法を用いて莫大な利益を上げて、密かに海外に利益金を移動していた。西にも実際の事を明かしていなかったようだが、西は合意書の破棄を請け負って10億円を受け取っていたが実行には移していなかった。鈴木は西に破棄したかどうかを執拗に確認していたようだが、西の返事に安心して合意書を破棄したものだと思い込んでいたようだ。西は鈴木から約30億円程の利益配当を受け取っていたようだが、鈴木取り分とは大きな差があった〗
〖鈴木は、親和銀行事件で有罪が決定した事で社会的な制裁を受ける羽目になった。自分が創業し、上場したFRの代表権と大株主の権利は剥奪された。狡猾な鈴木はその事を逆手に取り、ダミー会社名義でFR(なが多に社名変更)の株にも手を出し、第三者割当の新株の発行を画策し、ユーロ債も発行するなどして莫大な利益を得ていたようだ。このFRの相場には大物相場師の西田晴夫も参入し、後日殺害されたファンドマネージャーだった霜見誠も相場に資金投入していたらしい。鈴木は、霜見を使って隠匿資金を運用させていた事があったようだが、そもそもはFRの相場がきっかけだったようだ〗
〖裁判官は法律の専門家であって、貴金属や宝石の専門家では無い。まして難関である司法試験に合格する為に勉強ばかりして、社会経験や人間関係に乏しい人間がトラブル解決の為の是非を判断するというのだから、今更ながら、頭が良いだけでは務まらないことは容易に分かる。この機会に裁判官に相応しい条件を見直したらどうか〗(以下次号)