〖香港の闇の金融業者を使えば日本国内にいながら僅かな手数料で香港に法人を設立でき、銀行口座も開設できる。真の所有者が表に出たくなければ、その業者が適当な代表者を用意してくれる。鈴木のような悪人には正に利用価値が高い地域で、それらを斡旋仲介したのがフュージョン社なのだ。同社は、金融庁や証券取引等監視委員会からマークされ東南アジアに拠点を移したようだが、まさにその前後で西が逮捕されることになった志村化工株事件が表面化したと思われる。鈴木は株取引で得た利益をペーパーカンパニー名義で香港に流出させ、さらにヨーロッパのタックスヘイヴン地域に不正送金され隠匿したと思われる〗(関係者より)
〖鈴木がA氏の呼びかけにも応じず消息を断っていた数年間で数多くの株取引が実行された。その実態を西がレポートに残したが、裁判官はこの事実に何故眼を向けなかったのか。株取引の真実を明らかにしようとする意志が全く見られない。しかし、だからと言って合意書と和解書を全く無効にするという判決はあまりにも不公正で、裁判官としての資格はゼロだ〗
〖タックスヘイヴン地域のプライベートバンク口座は現地の法規制によって真のオーナーが特定できず、各国の司法機関が捜査に乗り出す根拠が無かったが、SWIFT(国際銀行間通信協会)が立ち上げられたことによって世界中の金融機関が海外に送金する際に定められた通信手順を使用する事になり、個々の金融機関にはSWIFTのコードが割り振られ、SWIFTの記録を調べれば、どこの誰がどの金融機関を使ってどこの口座にいくら送金したかが一目瞭然になった。国際犯罪金融組織とのイタチごっこではあるが、マネーロンダリング犯罪の取締りは急激に厳しくなってきている事は事実だ。これからは鈴木が隠匿資金を移動するのは益々困難になってくることは間違いないだろう〗
〖裁判官が、西や紀井氏の証言のひとつひとつを検証していれば「合意書」に基づいた株取引が実行された事を無視できなかったと思う。そして「合意書」の存在は認められ、違反した鈴木と西の分配はなくなり鈴木の隠匿資金は没収される可能性が高かった。それ故、和解書の存在と有効性も同時に認められ鈴木は買い支え資金と利益の2/3の支払義務も生じた筈だ。裁判官の視点が正しい方向を向いて判決を下してさえいれば、結果は雲泥の差が出ていたと思う〗
〖鈴木には家族を愛する気持ちはないのだろうか。これだけの悪事を続けていて家族に影響しないとでも考えているのだろうか。何事においても自分の勝手な考えが通ると思うな。家族を思う気持ちが少しでもあるならば逃げ隠れせずにA氏の前に姿を表して謝罪しろ。そうすることが、お前が人間として、男として、父親として、夫としての最後の責任でありケジメだと思う〗
〖鈴木は西の話からA氏がただならぬ資産家だと睨み、次々と口実を作っては金を無心していた。鈴木はその度に億単位の金を用意してくれるA氏に内心驚きを隠せなかったのではないか。和解協議後にA氏に宛てた手紙の中で「男として一目も二目も置く人間に会ったことが無い」と言っていたが、これは鈴木の本音だろう。今となっては己がしでかした事に戦々恐々としているに違いない〗
〖世間には裁判所、警察、検察の力では及ばないような巨悪が存在する。特に経済犯罪に関与している場合が多いのではないだろうか。過去に起ったリクルート事件、ロッキード事件も然りだ。しかし、国民は何時も騙されている。よく考えてみれば、巨悪と呼ばれる人間は常に司法機関の内側にいたのではないのか。監督官庁の官僚、政治家、フィクサーと呼ばれる財界の大物、この悪人たちは司法機関のボス的立場の人間ばかりだったと思う。司法機関は、彼等の悪事の薄皮を剥がして、一部の下級官僚の尻尾切りをしただけで終わらせている。内部の腐敗が温存されたまま悪事をウヤムヤに終らせただけでは、裁判所の誤審と冤罪裁判は無くならず、警察と検察は正義を貫けない。司法機関の高級官僚と政治家は何時まで国民の犠牲の上に胡坐をかいているのだろうか〗
〖この裁判での裁判官の思い込みと偏見は相当なものだ。鈴木は合意書の存在と合意書に基づいて株取引が行われた事を最終的には認めているのに裁判官はそれさえも受け入れず判決にも反映されなかった。これを一体どう解釈しろというのか。鈴木を勝たせたいという意図が見え見えではないか。また西がA氏の会社に持参した利益の分配金15億円もあろうことか鈴木による返済金として扱ってしまったのである。この15億円も鈴木自身が利益金の分配と認めなかった事への辻褄合わせではないか。一方でA氏側の証拠を軽視し、証言を認めないのでは不公平な思い込みによる判断としか言いようがない〗
〖新しい職業に就こうとするときは、就職する会社に履歴書を提出する。履歴書には「賞罰」を記入する欄がある。前科があっても差別をしてはいけないが、その人間の履歴を知っておくことが雇い入れる側の義務だという事が建前だが、現実として前科はバツ印の一つである事は否めない。この裁判では裁判官が鈴木の経歴を見て「特別背任横領罪」の前科がある事を知っていたのは当然だと思うが「前科者を色眼鏡で見てはいけない」という建前だけを重視して、鈴木とA氏を公平な扱いをしながら、裁判結果はA氏の主張を棄却するという不公平な判決を下して鈴木の悪行を見逃してしまった。品田裁判長は矛盾だらけで不条理な裁判を指揮した事になる〗(以下次号)