〖鈴木の代理人弁護士だった長谷川幸雄は、親和銀行事件から鈴木の弁護を引き受けていて、鈴木の質の悪さを知り尽くしていた。それでも鈴木を何が何でも勝訴させようとして弁護士にあるまじき裁判戦略を駆使した。何がそこまでそうさせたかは不明だが、高額な報酬だけではなかったようにも思う。悪徳弁護士と言われる事を厭わず、大悪党の鈴木を守るには相当な覚悟が必要だという事を一番知っていたはずだ。善悪は別にして依頼人を何が何でも守る事が弁護士としての矜持だと考えていたのかも知れない。ある意味見上げた根性の持ち主と見ることもできるが、犯罪に目をつぶってでもという考えは通らない。長谷川の弁護士生命を賭けた覚悟と迫力に品田裁判長も翻弄され、A氏の代理人弁護士は完敗したのがこの裁判結果だったように思う〗
〖鈴木は、宝林株の相場を買い支え資金が十分にあったことで利益を上げることが出来た。鈴木は、A氏の資金力だけを頼りに相場を張った。自分の買った銘柄が暴落してもA氏の資金で買い支え、買い上がって行けば株価が上昇するのは当然のことだ。鈴木は相場師の品位も勝負根性も無く、A氏の資金を騙し取るだけのハイエナ詐欺師だった〗
〖鈴木は平成11年7月31日に宝林株の利益金として15億円の利益金を西に持参させた。A氏と西、鈴木の3人が合意書を交わしたのは7月8日で、それから23日しか経っていなかったが、その間にA氏が出した買支え資金で利益を生んだ。A氏にとってはこの15億円が安心材料にはなったのではないか。A氏は西が利益金を持参して合意書通りに債務の返済に充当した事を意気に感じ、「鈴木さんと分けなさい」と言って1億円を渡した。A氏の心使いは2人の悪党にどのように響いたのだろうか。鈴木は実際の利益金額(その時点で約50億円)は内緒にし、西を唆して合意書を破棄しようと企んでいた。A氏は西と鈴木の報告を疑いもせず今後に多いに期待をかけたと思う。その後、鈴木との接触はなくなったが、西から「鈴木は都心の1DKのマンションで一人頑張っています」と報告を受けていた為、次の銘柄の検討をしているものだと思い込んでしまった。鈴木は合意書破棄と共に、この15億円の受け渡しの事実を消してしまう作戦を練っていたのだと思う〗
〖秋葉原無差別殺人事件の犯人に死刑が執行された。事件が起きて14年の年月が流れた。ただ、事件を裁くのに14年という時間が必要だったのだろうか。弁護士は事件当時の犯人の精神異常を主張し、精神鑑定を申請した。日本の裁判ではこれがセオリーとなっている。理由は「犯人にも人権がある」という馬鹿な法律家の暴論に過ぎない。こんな法律家こそ精神鑑定を受けさせるべきだ。無差別に理由もなく殺された多くの人たちの人権の尊さは犯人の比ではない。ただの絞首刑では遺族の心が癒されることは無いのではないだろうか〗
〖鈴木は合意書を無効にするために、裁判では平成11年7月30日の15億円受け渡しを否定した。そして、15億円は同年の9月30日に西に持たせて債務を返済し13枚の約束手形の返還を受け、債務完済の「確認書」を発行してもらい手許に本書があると主張した。これは鈴木が捏造した嘘で、約束手形13枚と債務完済の確認書は「決算監査」の為の便宜上のものだったのだ。債務の合計は7月30日の返済分3億円は金利分に相殺されたので、約28億円(元金)の債務で15億円では完済にならない。鈴木の嘘は辻褄が合わなかったが、鈴木は矛盾に満ちた虚偽主張をし続けた〗
〖パナマ文書の発覚によって、世界中のタックスヘイヴン地域が注目を浴びた。日本も例外ではなかったが、今まで開けてはならないパンドラの箱だったのではないだろうか。この箱には、日本の大企業や大物政治家が所有する莫大な資産情報が隠されていた。しかも、日本の税法を免れた裏金の宝庫だったのだ。裁判所は、鈴木ごときの問題でこのパンドラの箱を開けるわけには行かなかったのだと思う。開けようとすると、当然に大企業や大物政治家からの圧力がかかる。最高裁長官は自分の任期中にこの大問題に関わりたくなかったのだと思う。この裁判に不審を感じる原因がここにあるとすれば、全ての辻褄が合ってくる。大企業や大物政治家の裏金は秘匿され、最高裁長官の地位は安泰で、全てが丸く収まる。そしてマスコミの関心が薄い事についても納得できる。勇気あるジャーナリストの出現があれば、世界中を騒がす大スクープになり、日本は世界中に恥を晒すことになる〗
〖1000億円以上の資産を隠匿しているとみられる鈴木の最終目的は何処にあるのだろうか。このままではタックスヘイヴン地域のプライベートバンクの口座の資金は鈴木の名前では動かせない。鈴木は秘策を持っているのか、それとも既に移動に成功しているのか? コロナ禍で世界中の経済が疲弊した中では、それは不可能だと考えるのが正解だと思うが、事実はどうなのか、読者の多くも気になる事だと思う〗
〖鈴木は、陳述書の「質問と回答書」(乙59号証)の中で平成11年9月30日の債務完済の書類について「債務の弁済も無いのに、債権債務は存在しない事を確認する書面を作成して債務者に渡すことは世の中であり得ないと反論しました」と述べている。本来ならその通りだ。鈴木は「この世に有り得ない事」を何度もA氏に頼み、応えてもらった。そして、A氏は「世の中に有り得ない」温情で鈴木を援助してきた。鈴木は、乙59号証でA氏を誹謗中傷しながら、自分の正当性を主張しているが、回答の全てが正反対で裏を返せば自分の罪を全て認めている事になる。鈴木は自分の語りに嵌っている。乙59号証は鈴木の嘘の反面証拠だと思う〗
〖裁判官として一番してはならない事は、公平さを蔑ろにする事だろう。例え、一旦は当事者の一方に偏った裁定をしても、途中で修正していくべきだ。そうでなければ、この裁判の様に苦しい辻褄合わせを繰り返して、最後は独断で誤った判決を下さなければならなくなる。この裁判は初めからやり直さなければ原審判決の辻褄は合わない。矛盾だらけの誤審裁判として裁判所の資料に残る事になるだけでなく、日本史上最大級の事件として永久に残ることは間違いない〗(以下次号)