〖合意書は銘柄欄が空白であると裁判官は指摘したが、確かに「本株」という記述があるのみだったものの、この「本株」が宝林である事は紀井氏の証言や確認書をはじめとする証拠や主張で明らかであって、逆に「本株が宝林ではない」とする理由は何もない。その他の部分でも内容が「あまりに無限定」とされ全てが認められなかったが、合意書を簡単に不採用に出来るものではなかったと思う。この行為の重さを裁判官は分かっているのか大きな疑問である〗
〖鈴木の悪党としての行状が際立つが、先に自殺した西という男も相当のワルだと思う。鈴木をA氏に紹介したのは自分の思惑もあったようだ。A氏は鈴木を信用して支援したわけではない。西の依頼だから鈴木へ融資をした。それを鈴木はずる賢く利用した。西はA氏の性格を知り尽くしていた。西も鈴木の名前を使って融資をしてもらい、自分も流用していたのだ。本来なら鈴木の悪企みを察知してA氏に報告しなければならない立場だった〗
〖鈴木は1000億円を優に超える隠匿資金を今後、どう管理するのか。A氏に謝罪して禍根を消すのが最善ではないのか。1人では絶対に管理できないはずだが、国内外で多くの人間が関与しているのだろうが、「鈴木のために」という人間は一人もおらず、欲で繋がっている人間たちは必ず裏切るのが相場だ。そんな人間たちを鈴木はどう扱っていくのか。必ず裏切られる〗
〖鈴木は若い頃、暴走族のリーダーだったらしいが、裁判官は暴走族のリーダーの人間像は知らないだろう。良く言えば男としての器量があり、リーダーシップが強く、仲間のためなら自分の躰を張る。一方で強い者にも怯まない根性と度胸があるタイプと、仲間を犠牲にしてでも自分を守り、ハッタリは強いが自分より強い者は避けて通るタイプがあるが、鈴木は間違いなく後者だっただろう。昔から青田のような狡賢い人間を周りにおいていたことも想像できる。裁判官は過去にどんな裁判を経験してきたのだろうか。日本のみならず世界からも再審するべきという声が後を絶たない。この誤判には大きな裏があるはずとの意見も圧倒的多数で殺到している〗(取材関係者より)
〖A氏が鈴木に貸し出したピンクダイヤや絵画、そして高級時計13点を、鈴木はすぐに他の金融屋や知り合いの金持ちに担保として預けて資金化している。特に、絵画については一度もA氏に見せずに最初から他に担保に入れていた。明らかに詐欺行為だ。裁判官は時計の価格について経済的に不整合とか言いながら肝心の鈴木の行為に何のコメントもしていない〗
〖A氏、西、鈴木の3人で交わした「合意書」とそれを裏付ける証拠も有るというのに、何故これを認めない判決を下すのか誰もが納得いかない。この「合意書」の契約が全てを決めるといっても過言ではないはずだ。鈴木がこの「合意書」が致命的な存在になると考えたから、西に破棄する報酬として10億円という大金を払ったのではないか〗
〖鈴木は、宝林株購入の際に杉原弁護士に指示をして金融庁に提出する「大量保有株報告書」に紀井氏本人に相談もなく「紀井義弘からの借入金」として届け出をさせた。鈴木は裁判で「杉原弁護士とは面識もない」と発言している。杉原弁護士は宝林株購入時に鈴木が用意したオフショアのペーパーカンパニーの常任代理人なのだ。鈴木が知らない筈はないだろう。鈴木はすでにこの頃から株売買の利益を独り占めし、隠匿する計画を立てていた。こいつは稀代の詐欺師だ〗(関係者より)
〖鈴木は、以前から知り合いだった紀井氏を「儲け折半の報酬で一緒にやらないか」と言って誘ったようだ。元証券マンをスタッフとして引き入れるのは鈴木にとって願ってもない事だった。しかし紀井氏の報酬額は年間6000万円ほどで、鈴木は年間60億円以上の資金をオフショアに設立したペーパーカンパニーに運んでいて、日本には一銭も税金を納めていなかったようだ。平成11年から同18年の約7年間で約470億円の利益を独り占めして隠匿していたという紀井氏の証言は辻褄が合っている。ちなみに紀井氏の報酬は約束金額の1%だった。裁判官は紀井氏の証言に耳を貸さなかった。これは何かの密約があったとしか思えない〗(以下次号)