〖この株取引で巨額の利益を上げる事ができた発端は、西に宝林株800万株の買収の話が持ち上がったことからスタートしている。西は宝林株について詳しく調査をして、これならいけると判断した上で相手との交渉を成立させた。そして買取資金の3億円をA氏に懇願して出資してもらった。ここまでは何の不都合もなかったが、このあと鈴木が直接関わる事によってとんでもない方向へと進んで行った。まず資金を手にした後、鈴木は宝林株の取引きの場に鈴木の知るフュージョン社の人間を立ち会わせて全株を受け取った。ここから鈴木の思い通りの計画が具体的に始まったように思う。そして金融庁へ提出する大量保有報告書に出資者の名義をA氏ではなく、側近の紀井氏の名前を無断で虚偽記載したが、それも鈴木の知る杉原弁護士に指示している。この始まりの段階で既に大きな裏切りが読み取れる。鈴木という人間はどこまでも悪質で強欲であるのが余りにおぞましい〗
〖裁判官は判決文の中でA氏と鈴木の貸借の利息と遅延損害金について利率がどうのこうのと述べているが、元金の返済をしていない被告に利息が高いと主張する余地などないと思う。それに、鈴木が最初の段階で提示したのは、平成9年10月15日付の3億円の借用書に記載した一部担保付きで年36%の金利、年40%の遅延損害金であったが、金利は年15%、遅延損害金は年30%とした。従って裁判官がその事について述べているのは、仮にそれが争点の一つであったとしてもあまり意味のない事だと思う。A氏と鈴木の間の15億円と10億円の授受を処理するために必要な判断だろうが、何を裁こうとしているのか解らない話だ。当時の鈴木は、例え法定利息以上どころか10日で1割以上の金利であっても貸す人は一人もいなかった。A氏は、そういうことを裁判に求めていたのではないはずで、平成14年6月27日付の借用書にしても年15%の金利分を計算して加えて40億円を超えていたものを、鈴木が西を通じて「今後は株取引での利益が大きくなるので鈴木の借入金は圧縮してほしい」との依頼をして、25億円に減額してもらっている。鈴木が希望した年36%の金利、年40%の遅延損害金という当初の利率で計算すれば鈴木の借金は70億円を超える金額になっていたという。株の利益配当など、する気もないのにそれを餌に減額させ、しかもそれを西に言わせている鈴木の悪質な行為に品田裁判長は注目するべきだった。判決は鈴木の債務の存在を認めているが、それは当然の事で、品田裁判長はA氏がこの訴訟を起こした本来の目的を理解できていなかったと思う。A氏がこの裁判に求めたのは金銭的なことは勿論だが、鈴木の非人道的な行為の善悪を裁いて欲しかったのだと思う。品田裁判長は「裁判官は訴状をよく読んで背景を整理して判決文を書く」という裁判官の基本的な職務を全く怠ったのだ〗
〖「合意書」の締結以降、鈴木の主導の下で数々の株取引を実行していく中で、さすがに西も鈴木に上手く利用されている事に気付いていくが、鈴木と二人で交わした密約の成就を期待してズルズルと鈴木の術中に嵌まっていった。鈴木との約束である利益金の受取のために、出向いた香港で西が命を狙われた事が鈴木の裏切り行為をA氏に暴露する引き金になったと思うが、和解協議で見せた鈴木の西に対する言動、態度だけをみても、独占した利益金を誰にも渡したくないが為に西が最大に目障りになっていたことは明らかで、それはその後にA氏に送った手紙の中で西と紀井氏を裏切り者とか噓つき等と言って罵っていることでも分かる〗
〖鈴木が逃げ回っていたせいで、合意書から和解書作成までの7年もの間にほとんど協議ができなかったのに、裁判官はその状況になった原因が鈴木にあるにも拘わらず、鈴木にとって非常に有利となる合意書無効の判断をしてしまった。A氏からは連絡の取りようがなかったわけだからA氏には何ら責任がないのに、この事件を左右する重要な合意書を簡単に却下した裁判官の判断にはほとんどの読者が疑問に思っているようだ〗(取材関係者より)
〖判決文では、鈴木の債務の存在は認められたが、債務者はFRなのか鈴木個人なのかの論点は有耶無耶にされている。それは、何故なのか。鈴木には返済能力がなく、FRにも返済する資金が無かったのである。この返済金の出所を追求していくと、鈴木が合意書に基づいた株取引を宝林株以降も継続して利益金を独り占めにしている事が判明するからだと思う。正にA氏が裁判で解明したかったのはこの事なのであるが、公平であるべき裁判官が重大な事を有耶無耶に済ませてしまった理由は何処にあるのか。真相は再審で明らかにしなければならないが、それで品田裁判長は責任を取る覚悟があるのか。それに裁判所が再審を認めない時は、日本の裁判所が世界中の恥さらしになりかねない。公的機関が、まずいことにはフタをするでは済まされない〗
〖和解協議において鈴木は「合意書」に違反した裏切り行為を一部認めたが、本来ならば、違反行為によって利益金の取り分は一切無いところをA氏の寛大な処置により不問とし、利益が60億円であることを前提に紳士的に「合意書」に基づく利益分配を実行するために交わした契約が「和解書」である。もし鈴木がA氏の立場であったら、裏切り行為を吊し上げ利益金の取り分を一切認めなかったのではないか。A氏の寛大な処置に感謝もせず、強迫を受け契約書にサインしなければ解放されなかった等と言う人間が握手をして「2年後を見ていてください」と言って帰ったようだが、その1週間後にも支払いについての相談にA氏の会社に来ているのは一体何なのか。強迫が本当であれば、A氏の会社から歩いても4~5分程度の所にある新宿警察署に駆け込むはずだ〗
〖A氏は鈴木が親和銀行事件で逮捕される情報を逮捕の3日前に鈴木に伝えた。鈴木は初めて知った態度をしたようだが、すでにその時点で警視庁からの事情聴取を受けていたはずなのだ。この時も鈴木は状況を読んでA氏の恩情に縋り、A氏に8000万円の借入と、ピンクダイヤと絵画の販売委託を申し出た。返済する気などサラサラないことは、借用書の返済日を1週間後にしたり、A氏に言い値で買って貰ったピンクダイヤと絵画を売らせてほしいと言って「念書」を持参しながら、それまでに代金だけを受け取っていたにもかかわらず絵画を一度も持参もしなかったことでも分かるが、A氏は鈴木のこのような状況を不憫に思い貸してくれるはずだと踏んだのだろう。鈴木は人の善良さに付け込む悪魔だ〗
〖和解書について、被告側は①公序良俗違反②心裡留保③脅迫を理由に無効を主張したが、品田裁判長は株取扱合意書を無効とする判断を示したうえで和解書を無効にする根拠は被告側の主張をそっくり採用した。しかし原告側が主張する和解書の有効性を排除する根拠は何ら示していない。これは明らかに品田裁判長の偏向した判断で、初めに無効ありきとする思い込みがそのまま判決に反映したとしか思えないが、いくら何でも嘘だらけ、矛盾だらけの被告の主張を採用したことで品田裁判長が裏取引をした疑いは余計に強くなっている〗
〖「合意書」に基づく株取引は、最初は宝林株で開始されるが、西と付き合いのある証券会社から宝林株800万株の売却話が切っ掛けとなり、平成11年5月31日に買取契約が成立したが、宝林株の現株の受け皿会社を用意したのは鈴木である。さらに翌日の6月1日には金融庁に大量保有報告書を提出しているが、その資金の出所を実際に資金を出したA氏ではなく、鈴木が株取引を実行するに当たって雇い入れた紀井氏の名前を本人には無断で勝手に記載した。名前を使用された紀井氏も、株取引で得た利益は折半にするという約束で鈴木にスカウトされ、騙された一人だ。「合意書」締結前にこんな下準備が成されていた訳だが、鈴木と西はA氏にこの事についての詳細を故意に報告していない。この時点で西は既に鈴木に籠絡され、二人による謀略が出来ていた疑いは想定できるのではないか〗(以下次号)