〖鈴木が、宝林株での利益を独り占めした資金を使って「ジャパンオポチュニティファンド」を設立していたことは証券業界では知っている人が多い。そのファンドのマネージャーをしていたのが後に「セレブ夫妻遺体遺棄殺人事件」で話題になった被害者の霜見誠だ。霜見はドバイでファンドマネージャをしていた関係でヨーロッパのプライベートバンクに詳しく、鈴木が渡欧する時は同行していたこともあったらしい。当然、鈴木がどのプライベートバンクに口座を持っているかは知っていただろう。霜見は別件で裁判所に出廷する日の2日前に消息不明になって、しばらくして遺体で発見されている。この事件も結果的に鈴木の秘密を守ってしまった。犯人は逮捕されたが、まだまだ真相は闇の中にある〗
〖どう考えても合意書の無効は気に入らない、というより全てが合意書より始まっている。これは読者全員が思う事でもある。鈴木の代理人平林も長谷川も合意書を無効にするために、公序良俗違反、強迫、心裡留保という苦肉の法廷戦術を取ってきたが、合意書が無効であるならば、そもそも宝林株の取引もなければ巨額の利益も見込めず、さらに株価の買い支えも行われなかったから大きな利益も生まれなかった。つきつめるとそういう事になるが、この矛盾を裁判官はどう説明するのか。そもそも裁判官は株取引によって大きな利益が生まれた事実を実態として把握しているのか。その利益がどこへ消えたのか、行方を追わなかったのか。今回の裁判では鈴木の主張を一つ一つ突き詰めていくと矛盾が生じる事柄が多すぎるほどある。いかに手抜きの検証であったかが露呈した。そして鈴木という大悪党を野放しにしてしまった。裁判官の責任も重大である〗
〖鈴木と青田が、20年来付き合いがある暴力団に依頼してA氏の代理人であった利岡を襲撃し、瀕死の重傷を負わせたことはA氏側の調査で分かっている。犯人は鈴木と青田が懇意にしている暴力団幹部の下部組織に所属している組員だったが、利岡がその犯人の組の組長と示談して被害届を取り下げてしまった。この示談内容は「襲撃を指示した人間を教える」という条件だったが、利岡自身が「犯人には殺意があった」というほどの暴行を受けたのに、それだけの条件だけで示談を了承したとは思えない。この示談には疑問が残るが、当事者は利岡なのでA氏の関係者が口を出すことが出来なかった。そして、この事件は鈴木が金を出し、青田が暴力団幹部に依頼したことは今や公然の秘密になっている〗
〖鈴木や長谷川弁護士は法廷で証拠書類はもちろん数えきれないほどの嘘の証言をしているが、証人ではないから偽証罪にならないというのには驚いた。もちろんこの事を熟知していた長谷川弁護士の戦術に違いないが、ここまであからさまな嘘がまかり通ると思ったのだろうか。大事な裁判の場で凶と出るか吉と出るかのような大きな賭けをするものだろうか。検証されて嘘と分かれば完全なマイナスになるようなことは普通に考えたら出来ないと思う。それとも全てが認められる絶対の自信があったとしたら、それこそ疑惑の裁判と言うしかない〗
〖鈴木は、数少ないA氏との面談の中で合意書も、和解書も借用書も全ての事を認めている。和解書締結の1週間後には自ら出向いて確認し、今後の事について話し合いもしている。しかし、裁判の場では自分の都合の悪いことは証拠があろうが証人がいようが全てを否認する。口頭では「その通りです」「解りました」「約束します」と言って書類にサインした事を全て「知りません」「言っていません」「その日は会っていません」「誰々に言われて書きました」「脅かされて書きました」では滅茶苦茶だろう。これを認めさせた弁護士、認めた裁判官は鈴木の犯した罪を全部自分達が責任を持つ覚悟があるのか。お前たちは一蓮托生という事を忘れるな〗
〖鈴木は実際どのくらいの資金を隠匿しているのだろう。利益をあげてからすでに十数年間が経過しているわけで、利回りを含めると1000億円を超える規模になっていると言われているが、海外の複数のプライベートバンク、ペーパーカンパニーなど、謎だらけの隠し場所がある。しかしその一部は表面化しているが、後は時間の問題であり、政府によって全てが没収されるだろう。間違いなくその方向に動き出している〗
〖鈴木は、親和銀行事件で逮捕起訴されFR社の代表も取締役も退いた。しかしそれ以後もFR社の増資やユーロ債で莫大な利益を上げている。FR社は「なが多」「クロニクル」に社名変更しているが、元のFR社が上場廃止、倒産になりかかった時に助けてくれたのは誰かを忘れてしまったのか。お前が今生きていられるのはその人のお陰だという事を思い出せ。このままではお前も、お前の家族にも本当に悪い影響が出るのは必至だ〗
〖何が許せないか、それは弱い者いじめです。鈴木の悪友、青田光市は赤坂のマリアクリニックを暴力団を使って乗っ取った。青田は院長が重病になり自宅療養中で身動きが取れない状況に付け込んで経理や人事に口を出し、院長が入れないように病院の鍵を付け替えるなどあり得ない事を早い時期から企み実行していた。そして院長の自宅まで押しかけて「バカヤロー、殺すぞ」「出てこい根岸!ふざけんなよ」と脅しをかけていたという。こういう弱い者いじめは本当に許せない。用意周到に準備する計画的犯行は、鈴木と同類の最低な人間である。実は根岸院長はA氏とは30年以上の友人で、協力を求める電話が当時2回ほどあったが、脳梗塞が原因か話が聞き取りにくかったので直接会うことになっていた〗
〖西が鈴木と交わした密約を英文で契約書にしたらしいが、それは三人で交わした合意書と違って鈴木は惚けられないだろう。西が自分の取り分をA氏に譲渡しているが、鈴木が払うつもりが無ければその金額は「絵にかいた餅」だ。そもそも元の「合意書」に違反しているから鈴木の隠匿している資産は全部A氏のものなのだという事を鈴木は忘れているのではないか。本当に無責任で極悪だ〗
〖結局合意書に基づいて行われた株取引はいくつの銘柄だったのか。宝林以外にもエフアール、アイビーダイワ、イッコー、住倉工業etc という銘柄が挙がっているが、明らかに全ての株取引が「合意書」に基づくものであり、紀井氏が宝林株の売りを始めたのがスタートであることははっきりしている。そして取引を開始してから約7年目の平成18年の時点で実に約500億円もの利益が上っていたことが判明した。裁判官が「合意書」を切り捨てたが、実際にはとんでもない株の操作が行われていたのである。これは司法が犯罪を見逃してしまったと言わざるを得ない大問題である〗(以下次号)