〖鈴木は破産か自殺かの苦境に立たされていた頃、誰からも金を借りることができず、絶体絶命の危機にあったが、西からA氏を紹介してもらい資金繰りとして元金のみで28億円以上(販売委託分を含む)という莫大な資金を融通してもらう事が出来た。この時のA氏は鈴木にとって救世主に見えたはずだ。この転機が無ければ会社は倒産、鈴木は自己破産どころか自殺するか野垂れ死にの結末を迎えていたはずだ。そのA氏を騙して株取引で得た利益金を一人占めしたいが為に何人もの人間を犠牲にした。ここまでの極悪人はいない〗
〖鈴木はA氏や西との信頼関係を装ってA氏には買い支え資金を出させ、西には相場作りをさせながら、利益だけは独り占めにしてしまった。鈴木の場合はフェアじゃないと言うだけでは収まらないほどの悪事を重ねている。騙し、裏切り、そして多くの人達を踏みにじった。A氏は鈴木にとっては何回も窮地を救ってもらった恩人のはずだ。そういう人間まで裏切れば、どういう報いを受けるか、鈴木を庇う人間は一人もいなくなる。自業自得だ〗
〖平成18年10月16日、鈴木と西がA氏の会社で顔を合わせた。2人は険悪な雰囲気で、最初から激しい口論を繰り返して話し合いが進まない為A氏が「話にならないので、2人で外の喫茶店で頭を冷やして来い」と叱った。しかし2人が動かないので、A氏が話を始めた。鈴木はこの場でも合意書を否定しながらも株式売買での利益が現在50億円あると辻褄の合わないことを言い出した。そして、A氏と西に25億円ずつ配当金を支払うと言ったので、A氏が50億では計算が合わないと言うと鈴木は60億円に訂正した。A氏はそれでも計算が合わないと思ったが、鈴木が払うと言っているからと考え、協議を進め予め西が用意した「和解書」を出して2人に署名押印をするように言った。和解書の内容は鈴木の提案通り、平成19年2月末までにA氏と西それぞれに25億円ずつを払うと鈴木が記述した。A氏は「書面の文言に問題があれば修正しますよ」と言うと、鈴木はよく読んだ後「問題ありません」と言って率先して署名指印した。しかし西は紀井氏から実際の利益総額を聞いていたので「こんな額ではないだろう、これでは社長が知人から借りてくれている金額の一部にしかならない」と言って署名に抵抗し、また鈴木と喧々諤々の口論になった。470億円という数字を知らないA氏は、西に「いい加減にしてサインをしろ」と怒鳴った。西は観念して署名指印したが「あくまでも60億円が前提だからな」と念を押した。すると鈴木は「社長には大変お世話になったので2年以内にあと20億円払います」と言い出した。西は「それも和解書に書け」と言ったが鈴木は「西の言い方が気に入らないので和解書には書きませんが、約束は守ります。信じて下さい」と口頭ではあるがA氏に約束した。そうして和解協議が終わり、鈴木は帰りがけにA氏と握手し、「2年後を見てください。大きな仕事をやり遂げます」と言って帰って行った。しかし、後日の紀井氏の話ではA氏の会社を出た直後に鈴木から電話があり、「今終わった。100億以内で話が付きそうだが香港の事はバレてないだろうか」と言っていたという。こうした経緯を見ただけでも、この日に脅迫も監禁も無かったことは明らかだ〗(取材関係者より)
〖エフアールは上場会社と言いながら、実態は粉飾を繰り返して株主を騙し、鈴木は経営を大石や天野に押し付けて、不正な資金繰りばかりをやっていた。バブル景気の頃には、創業者利得欲しさに粉飾を重ね上場基準をクリアーさせた会社が数多かったから、証券市場は景気が落ち込むと上場廃止に追い込まれる会社が続出し完全に冷え切ってしまった。鈴木のような人間が目立つだけだったが、鈴木ほどの悪党はいないのではないか。悪事を働いても仲間を徹底的に騙し裏切るようなアコギな人間は必ずしっぺ返しを食らう。鈴木がいずれ躓くのは目に見えている〗
〖鈴木は、便宜上返して貰った手形13枚と、便宜上書いてもらった確認書を盾にして債務完済を主張した。鈴木は、平成14年6月27日に、今までの債務を整理するということで改めて借用書を差し入れた。しかもA氏の手許にある借用書には確定日付印まで押してある。品田裁判長はそれをどう解釈したのであろうか。鈴木は裁判では6月27日の事を全面的に否定し、「質問と回答書」(乙59号証)ではA氏を借金の2重取りをする悪徳金融屋のように言っているが、自分の言動を忘れていたことを打ち消す為にA氏を悪者にして否定するしかなかったのだ〗
〖鈴木はピンクダイヤとボナールの絵画をA氏から販売委託で預かりながら、A氏には代金も払わず返品もしなかった。鈴木はこの2点をA氏に3億円の言い値で買って貰い、親和銀行事件で逮捕される3日前に販売委託と称してA氏から借り出した。ただし絵画は買い取ってもらいながら一度もA氏に持参していなかった。A氏が鈴木の嘘に気付きながら、逮捕されるという情報を踏まえて、長い目で見ていてくれたのだということを、鈴木は考えた事があるのか。それだけの温情を掛けてくれた恩人を裏切る事は万死に値する〗
〖鈴木は裁判に勝ったにも拘わらず、なぜ今も姿を晦まして逃げ回っているのでしょうか。普通なら堂々としていられるはずです。おそらく勝つと思っていなかった裁判に悪質な戦術をフルに動員して勝訴してしまったからA氏関係者からの追及を恐れているのだろう。そして悪行の数々を重ねたために別件での警察や検察、国税等の捜査、逮捕も恐れているのだろう。確かに捜査に関して言えば鈴木の恐れていることが確実に自身に迫っているのは間違いないと思う。しかし今度は「強迫」も「心裡留保」も理由にはならない。同じ事が二度通用するほど甘くはない。覚悟を決めて再審を待つしかないのです〗
〖西は、鈴木を利用してA氏から莫大な資金を融資させたのではないかと思う。A氏の周辺の人たちには「A氏は何故か西を弟に様に可愛がっていた」と言う人が多いという。西がA氏を兄のように慕っていたのは確かだった様だ。西は、鈴木とは違って如才のない笑顔で他人と接し、英語が堪能で、ブランドのスーツを着こなし自分をやり手の青年実業家に見せることに長けた典型的な詐欺師だった。しかし、A氏を尊敬し「この人だけは欺けない。欺いてはいけない人だ」と自分の腹心に言っていたそうだが、鈴木との出会いが何もかも狂わせてしまったのか〗(関係者より)(以下次号)