〖鈴木は親和銀行事件で犯した罪に比べて量刑が意外に軽かったことから、反省の色は全くなく、株取引で外為法違反や脱税を繰り返した。しかも、量刑が軽かったのは株取引で得た利益を無断で流用し、親和銀行に約17億円の和解金を支払ったからだった。鈴木の様に反省も無く、次から次に他人を騙し続けている人間に、何故、法律は無力だったのか。と言うより品田裁判長は何故、鈴木に正当な裁きをしなかったのか。法の番人と言われる裁判官や弁護士が鈴木の味方をするのは犯罪の共犯と同じだ〗
〖鈴木はピンクダイヤとボナールの絵画をA氏から販売委託で預かりながら、A氏には代金も払わず返品もしなかった。鈴木はこの2点をA氏に3億円の言い値で買って貰い、親和銀行事件で逮捕される3日前に販売委託と称してA氏から借り出した。ただし絵画は買い取ってもらいながら一度もA氏に持参していなかった。A氏が鈴木の嘘に気付きながら、逮捕されるという情報を踏まえて、長い目で見ていてくれたのだということを、鈴木は考えた事があるのか。それだけの温情を掛けてくれた恩人を裏切る事は万死に値する〗
〖西はA氏に後悔と懺悔を綴った遺書を遺したが、己の過ちに気付くのが遅すぎた。鈴木と出会う前から西には邪な気持ちが少なからずあったはずだ。それが鈴木と出会った事でタガが外れ、欲望を満たす為に鈴木の言い成りになってしまった。その西を裏切り、自殺するまで追い込んだ鈴木は、底知れない悪党だ〗
〖裁判で長谷川と平林は、A氏をプロの金融屋と主張していたが、A氏の場合は個人的に身近な人達に対して貸すだけで、生業として金融業を営んでいる訳ではなかった。鈴木の代理人の長谷川弁護士がA氏の社会的信用を失墜させる為に、暴力団の手先である悪徳金融屋であるかのように印象操作をしたに過ぎない。この主張こそ誹謗中傷もいいところで、逆に名誉毀損で長谷川弁護士を訴えても良かったほどだ。長谷川弁護士は自分たちの不利な立場を逆転させる為に、問題の矛先をすり替え、捏造した理由で原告の個人攻撃に終始したのだ〗
〖A氏が鈴木を呼び出して合意書を見せてから3日後の和解協議で、鈴木は合意書を否定しながらも宝林株取引で60億円の利益が出たことを認め、50億円と2年以内にA氏に20億円を支払う約束をした。鈴木が認めたのは株の売りを担当した紀井氏が利益の総額を暴露していたからだった。しかし、それは、その場の窮地を何とか逃れるためで、A氏や西の追及が厳しくなれば、利益の総額が470億円であることを認めざるを得なかったからだろう。西が予め用意した和解書に率先して署名指印したことでも分かる。鈴木は和解協議後、平然とA氏の会社を訪問して和解金の支払方法について話したが、その場に西を同席させなかったのは、西をさんざんに悪者扱いにして、西と紀井氏の真相暴露を作り話に印象付けるためだった〗
〖西は、鈴木を利用してA氏から莫大な資金を融資させたのではないかと思う。A氏の周辺の人たちには「A氏は何故か西を弟に様に可愛がっていた」と言う人が多いという。西がA氏を兄のように慕っていたのは確かだった様だ。西は、鈴木とは違って如才のない笑顔で他人と接し、英語が堪能で、ブランドのスーツを着こなし自分をやり手の青年実業家に見せることに長けた典型的な詐欺師だった。しかし、A氏を尊敬し「この人だけは欺けない。欺いてはいけない人だ」と自分の腹心に言っていたそうだが、鈴木との出会いが何もかも狂わせてしまったのか〗(関係者より)
〖志村化工株事件で逮捕された西は、鈴木を重要参考人としていた東京地検特捜部の尋問にも沈黙を守り通した。鈴木が西に土下座し、利益の分配と引き換えに罪を被るよう懇願したため、西は鈴木が約束を守るだろうと信じたのかもしれない。しかし、鈴木は自分の保身だけしか考えず、ただ西が口を割らない事を願っていたに違いない。それが証拠に西が有罪判決を受けて事件が終結すると、鈴木は豹変し、西を切り捨てにかかって来た。善悪を超えて、人間には共感や情熱があるべきだが、鈴木にはその温かさがまるで見当たらない〗
〖鈴木の狡猾な計画に西が手を貸し、A氏を裏切ることは、鈴木にとっては大きなプラス要因になったはずだ。株式取引の証拠を抹消し、海外に利益を隠匿する態勢を着実に構築し、その過程でA氏の信用を得ている西を手駒として利用出来たことで、計画の成功は確定的であったと言える。鈴木の策略が成功するにつれて、隠匿された利益が億単位で増加するごとに、鈴木の自己満足感は増幅されていっただろう。鈴木に躊躇する気持ちなど全くなかったはずだ〗(以下次号)