〖世の中には多くの偉人がいて、宗教が説いた言葉も無数にある。中には「人を裏切る事は、自分の人生も終わりになる覚悟が必要だ」と書いている本があったが、言うのは簡単だ。どんな名言も間違った事は言っていない。ただ万人がその通りに行動するとは限らない。綺麗ごとでは世の中を渡れない。「少々の悪事を犯しても人生楽しく優雅に暮らして死ぬときは潔く死にたい」と自分勝手な事を考える人もいるが、実際にはそれも無理だろう。鈴木は、他人が何を言おうが、汚れた金であろうが、持てば何でも解決できると思っているのだろう。親族、家族がいなければそれもいいかもしれない。しかし、親兄弟や妻、子供、孫は唯一自分の味方だということに気付いて、その唯一の味方を裏切る事だけはできないはずだ。それを鈴木はどこまで自覚しているのか〗
〖長谷川弁護士の言った「大丈夫、この裁判は負けない」という言葉がどうにも受け入れ難い。しかも判決の当日に声高々と言い切っているのは余程の自信か確信があったとしか思えない。単なるハッタリではなかったと思う。この裁判の間、長谷川の高圧的で威圧的な態度は変わらなかったらしいが、弁護士は「毅然と真摯に冷静に」というマナーを重視し、やはり裁判官の悪印象を避ける事が必要と言う弁護士も多い。普通はそうだろうと予測がつく。それともそんな事を気にしなくても良い何かが長谷川と裁判官との間にあったという事か〗
〖和解協議で、鈴木がA氏と西にそれぞれ25億円を、A氏には別途に20億円を2年以内に払う事で和解書が作成されたが、署名した後も西は「こんな金額では納得できない。社長が他から借りている金額の一部にしかならないじゃないか」と鈴木に言っていたようだ。これは、以前にA氏が金銭的に助けた人が大勢いる中に仕事で成功を収めた人が今回の資金の件で協力してくれた事を西は聞き、A氏には言わずにその人の所へ勝手に足を運び金利の交渉をした経緯を踏まえて西が鈴木に反発して言った言葉だったようだ。A氏のお陰で救われ成功者となった人達は、鈴木のA氏に対する悪行を聞いたら何と言うだろう。恩を仇で返すとは正にこの事である〗(関係者より)
〖鈴木、お前が住んでいるのは砂漠のような所ではないのか。足元は砂ばかりで何かを建てようとしてもすぐに倒れ壊れる。大事なものを地中に隠そうとしても風が吹けば砂塵として飛んでいく。喉が渇いても水も無い。周りには人もいない。食物を探しに行こうとしても荷物が重くて歩けない。その荷物は少しの間も自分の身から離せない。しかし、鈴木は周囲には「パラダイス」と言っていたようだ。しかし、それは大きな勘違いだ。毎回の飲食で酒や食べ物に毒が入っていないか用心した方が良い。鈴木はこれまで家族や他人を不幸にしてきたから、あちこちに大きな落とし穴があると知るべきだ〗
〖裁判官は司法試験に合格後、1年間の研修を経て裁判官を選択し、判事補を10年近く経験してようやく裁判官になるらしいが、社会経験をせずに試験勉強ばかりをしていた人が多いように思う。この制度は改正が必要だ。刑事事件のように警察が充分な捜査をして証拠を固めた後に、検事が起訴すれば99%有罪が見込まれ、後は判例に従って量刑を下すだけだが、難しい人間関係が絡んだ民事裁判は裁判官の裁量が大きく影響する。鈴木の裁判もそうだが、かなり複雑な業界の事件を裁かなくてはならない。悪質な性格の被告と老獪で狡猾な弁護士相手では豊富な経験が無ければ無理だ〗
〖鈴木は、合意書や和解書を締結した時の気持ちに何故戻ろうとしないのか。行方をくらます前に手書きをした手紙の内容には本心と思われる気持ちが書かれていたように思う。裁判になって、平林弁護士や長谷川元弁護士らの意見が入り、青田の唆しがあったと想像する。裁判は表向きには鈴木の勝訴で決着がついたが、この裁判は再審で逆転する。担当した裁判官達にも厳罰が下る裁判内容だという事は鈴木自身も感じているに違いない。冷静になって逆の立場で考えてみるとよく分かる〗
〖バブル景気の日本は誰でもチャンスを掴める可能性がある時期だった。鈴木も成功する可能性を持った1人だったかもしれない。しかし、考え方に根本的な間違いがあった。それは「上辺の口先だけの言動」を優先してしまったことだ。周りはイエスマンだけで真実のパートナーがおらず、所謂「一匹狼の虚業家」であったという事だ。儲ける方法は知っていたが協力者がいなかった。私欲を優先して他人を騙すことに磨きをかけ、悪戦苦闘する中で、その窮地を切り抜けられたのは西とA氏のお陰だった。この縁を大事にしなかった。空腹の獣が目の前に差し出された餌に貪りつき遮二無二暴走した。「衣食住が足りて礼節を知る」という諺がある。人並みの生活ができるようになったら恩人に礼を尽くすべきだ。それを、しないままにしていたら最低最悪の人間として地獄に堕ちる〗
〖鈴木は、隠匿している資金への思いを振り返ることは無いのか。時代の寵児と呼ばれた若手起業家が「お金が全てだ。儲けて何が悪い」などと吠えながら自由自在に飛び回っていても、瞬く間に容赦なく羽をもぎ取られ、塀の中に堕ちていった。自惚れからくる自滅だったと思う。そうした中で、世間が「大悪党」として批判し、絶対に許してはならないのは人道に外れた手法で他人に迷惑をかけ、自分の強欲で莫大な資金を掴むことに成功しても、家族をも非難の渦に巻き込んでしまっている鈴木のような奴だ。このような人間が塀の中に堕ちていないことが不思議でならない〗(以下次号)