〖鈴木の悪党としての素質は社会に害を及ぼすほどに相当なものだと思う。自分が狙った獲物を逃がさない。綿密な計画を立てる慎重さを持っている。そして蜘蛛の糸を張る様に徐々に相手を身動きできなくする。この事件ではまず、西の周辺を徹底的に調査して実情を把握した。そして、西にA氏というスポンサーがいることを突き止め、今度はA氏の情報を収集した。鈴木は、西がA氏から資金を調達する方法に行き詰まっている事を知って西を取り込んで計画を実行した。鈴木の計画は約10年間、露見することは無かった。とんでもない悪党だ〗
〖鈴木の一連の悪企みには「セレブ夫妻死体遺棄殺人事件」で被害者となった霜見誠という男も関与している。鈴木と霜見は平成14年から面識があったという。霜見は鈴木が仕掛けたFR社の仕手戦に参戦し、大きな利益を得たらしい。後日、霜見は「FR社の株に出会ったことは私の人生を大きく変えた」と言っていたと霜見の周辺の人達は言っている。霜見はスイスに在住し、ドバイでもファンドマネージャーをしていて業界でシロ物と言われるハイリスクハイリターンの投資話を扱っており、トラブルも多かったようだ。ヨーロッパのオフショアカンパニーやプライベートバンクには精通していて鈴木のスイスにあるプライベートバンクの事も知っていた。霜見の周囲の人間の話によると、霜見はドバイの投資話で日本人と裁判沙汰になっていて、そのトラブルで裁判所から呼び出され、プライベートバンクの事で事情聴取をされる予定の2日前に行方不明になったらしい。そして夫婦で地中に埋められ殺されていた。犯人は逮捕されたが犯人の自白に不整合な発言が多くあり真実は闇の中だ。霜見の関係者の間では謎だらけで真犯人が別にいるのではないかと言われている〗
〖A氏宛ての西の遺書には「私は23年前に初めて社長にお目にかかっており、自分の人生でそれまで誰よりもすごいオーラとカリスマ的な存在感を感じました。絶対に大事にしなければいけない方だと思いました…」と、西のA氏に対する率直な思いが綴られていたが、鈴木に懐柔され結託してA氏を騙し裏切ったと謗られても西には弁解の余地はない。確かに鈴木の策略に嵌まったが、それだけ鈴木が巧妙だった事も窺える。西にも鈴木に付け込まれた大きな落ち度があったという自覚はあったはずだ。だからこそ、行き場を失い誰にも相談できずに遺書という形でしかA氏に対して謝罪出来なかったのかもしれない。後悔先に立たずと言うが、西をここまで追い込んだ鈴木はいつか同じ報いを受ける時が必ず来る〗
〖2006年(平成18年)10月13日、A氏は紀井氏経由で鈴木へ連絡した。海外に行っていると常に誰からの電話にも嘘をつかせていた鈴木は、紀井氏に「どうしようか」と言っていたが、「社長にはいろいろお世話になっているので、社長には電話した方が良い」と言われ、A氏に対して後ろめたさがあったが日本にいることを伝えてA氏の会社に16時ごろ訪問した。鈴木はA氏から西が香港で襲われたことを聞かされた。そして、A氏から、西を唆して破棄させたはずの「合意書」の本書を提示された。鈴木は驚きで思考停止した事だろう。鈴木は、かろうじてA氏に頼んで西に連絡してもらって3日後の16日に改めて3人でA氏の会社で会うことにしてもらった。西の都合が悪かったのかも知れないが、何故「今すぐ」ではなかったのか。鈴木には自分の頭の整理をするのに2~3日の時間が必要だったのだろう。それが合意書に基づいた株取引はないという強引な開き直りにつながり、また利益の実態を隠して25億円ずつを2人(A氏と西)に支払うと肚を決めることになったが、西に「社長が他から借りている一部にしかならない」と言われ、鈴木はA氏に別途20億円を払うと言った。西が「飽くまで利益が60億円であることが前提だ」と釘を刺した。和解協議を終えてA氏の会社を出た直後に紀井氏に電話をして「100億円以内で済んだ」と安堵した様子を語っていたことで分かるが、本当に鈴木は強欲としか言いようがない〗
〖ロシアとウクライナの戦争が起きた事で、世界の眼はその事に集中する。戦争に比べれば鈴木の事件などは比較にならないが、鈴木が資産を隠匿しているオフショア地域は、戦争と深い関係がある。銃器密売組織やテロ組織によるマネーロンダリングが一層激しくなる。世界経済にも大きな影響を与え、世界中の富裕層の巨大なマネーも危険に晒されることになる。鈴木も安穏としてはいられないだろう〗
〖あくまでも憶測に過ぎないが、おそらく西も鈴木から何度も「私にもいいスポンサーを紹介して下さい」と懇願され、A氏を紹介する事によって鈴木の案件で自分も利益を得ようという邪悪な考えは少なからずあっただろう。結局鈴木の悪知恵によって最悪の状態にドンドン引きずり込まれ抜け出せなくなってしまい自殺するまでに追い詰められてしまった。身から出た錆としか言いようがない〗
〖裁判所は、これだけSNSで世間を騒がせている鈴木の不当判決を再審するか、是正措置を講ずるかしないと、裁判所の威厳は地に落ちるだろう。知らぬ振りをしたり手をこまねいている場合ではない。ここまで来たら、いい加減に品田裁判長に非を認めさせるべきだろう。裁判所関係の人間で、今やこの事件を知らない人はいないはずだ〗
〖鈴木はA氏から資金以外にもピンクダイヤや有名画家の絵画を持ち込み、言い値の3億円で買って貰っておきながら、今度は「3億4000万で売らせてほしい」と言って持ち出したが、売上代金も現品も返却していない。これでは3億円を払わせて商品を渡していない詐欺ではないか。他にも売らせてほしいと言って持ち出したままになっている品々があり、それらの合計が7億4000万円にも上っている。鈴木は裁判で「A氏より買ったものだ」と無茶苦茶な事を言い出している。A氏の事を「プロの金融屋」と呼び「反社会的勢力と繋がっている」と言った事と同じく裁判官にA氏の心証を悪くさせようとする卑しい戦略が明らかだ〗(以下次号)